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落下の解剖学のumashiroのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
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何一つ確かな証拠がない男性の死亡事件をめぐり
「真実」とは何かに迫る法廷劇。


確かな客観的な事実が存在しない中で
両極端な解釈を話す検察・弁護士の姿は、羅生門を思い出させた



2021年公開の『最後の決闘裁判』は、
羅生門を一歩進ませ、
「そもそも真実なんて誰も興味がない」
というところにテーマを置いた映画だったが、


『落下の解剖学』は、
同じテーマに触れたうえで(ワイドショーの出演者に語らせた上で)
私たちは自分の責任で真実を選ばざるを得ない
というところまで進ませた映画だと思う。


葛藤しつつ、自分の選んだ真実を語ったダニエルの最後の証言は、
それまでのどの証言とも異なる、力を持った言葉として響いた。

こういう言葉を吐いて生きていきたいなー
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