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落下の解剖学のるのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ごめん前半意識飛んだわ!
事件(事故)が起きてからの現場検証?とかのシーンはまるっと意識ないです
でも後半の裁判シーンは全部きっちり起きてた
ダニエルの目が見えなくなったのが旦那のせいっていうのは分かったけど、実際どういう出来事があったのかは見逃しちゃったから気になってみんなのレビュー見たけど分からず仕舞い、、、

ダニエルにとっては父親が亡くなった悲しみを上回る程、裁判で聞かされる自分の家の生々しい出来事の方がショッキングだろうな
あなたが傷つくことに配慮していられないから裁判内容を聞かせられないって言う判事?に対して「もう傷ついてる」ってダニエルの言葉は忘れられない
結局判決は母親が無罪となったけど、実際自殺なのか他殺なのか事故なのかも分からないまま終わるのは消化不良感否めない
でもダニエルが選んだ終わり方がこうなんだとしたらこれ以上の詮索は不要かなと思ったので納得は出来た
大喧嘩の録音はサンドラにとってかなり不利になる証拠の1つだったし、ダニエルの証言がなかったら有罪もありえただろうどうけど、そこで母の無罪につながるような証言をダニエルがしたってことは、ダニエルは母が無罪になることを願ったってことだと解釈した
だってあんなに両親のエグい部分を聞かされて、自分の母親やべーじゃん一緒に生きていくの無理だわ、ってなったらいつか父親が自殺しかねないって雰囲気を感じたことなんて証言しないよね
あの年齢で法廷に立って毅然とした態度で証言できるのすごいよ、めちゃくちゃ色々考えてるよ、、、
1番辛い思いをしたであろうダニエルにとって最善の終わり方になったなら、事実がどうであれそれで良かったのかもと思ってしまう
この考え方はあんまり良くないのかもしれないけど

「落下の解剖学」というタイトルが内容を端的に表してて結構好き
傍目には見えなかった家族の内情、息子も知らなかった両親の姿、そういうものがサミュエルの落下をきっかけに裁判を行う中で少しずつ解剖されていく様子が、真綿で首を絞められるような苦痛と、これ以上覗いて暴いてしまうことへの恐怖を感じた
世の中知らないことの方が多いもんね、、、
知ってしまったからには向き合うしかないと覚悟を決めるダニエルは強い
ラストの「ママが帰ってくるのが怖かった」「私も帰るのが怖かった」ってダニエルとサンドラのセリフは、強制的に変わってしまった家族の形を受け入れて一緒に過ごしていくことへの不安と恐怖かな
子供にとって親は世界の全てみたいなところあるし、嫌な部分を見るのってすごいキツいと思うのにサンドラを抱きしめてあげられるダニエル本当すごい、包容力がある
サンドラだってダニエルに見せないようにしていた部分が思わぬ形でダニエルに知られてしまって受け入れられるか不安だったんだろうな
でも不安だったとはいえ、結審後に直帰して息子に会うんじゃなくて、お酒飲んで夜遅くに帰ってくる母親、わたしなら普通に嫌なんだけど笑
旦那死んだ直後なのにヴィンセントとちょっと良い雰囲気になってるのも嫌笑
親である前にサンドラも一人の人間であり女だっていうのは分かるけど、こういうところが旦那に対して「自分の時間を犠牲にせずとも子供は育てられる」って断言できてた理由なんだろうなーとは思った
それが良いか悪いかはダニエルが決めることだけど

でもねダニエル、可愛がってる犬にアスピリン食べさせるのは絶対だめだよ
しかも一回苦しんでる姿見てて、アスピリンのせいかもって想像した上で何錠も与えてるの怖すぎるんだけど
本当に本当にだめだよ、まじでびっくりした
あとわんちゃんの演技力にも驚いた
本当に演技だよねって不安になるくらい上手ね
死ななくて良かった、、、

わたしは遅かれ早かれ事故事件自殺どれでもありえた家庭かなと思った
来客があるにも関わらず、体裁を考えるでもなくわざと爆音で音楽を流して嫌がらせのようなことをする旦那の余裕のなさとか、喧嘩になると手が出る妻、壁を殴る旦那
既にコップの表面張力ギリギリって感じの関係だし
でもダニエルのことを考えると、サンドラが殺したわけじゃなくて、ただ不運が重なった残念な事故だったと信じたい、、、
る