死んだ夫だけが知り得ること、或いは妻サンドラへの容疑を軸にどの可能性も払拭できぬまま展開される法廷劇。
最もらしいものから低劣なものまで真相に結び付く兆しを巡って紛糾していく審理。曖昧な第三者視点で何を証明するのか、そしてその先にあるもの…に堕とされたw
死の真相はもちろん、いつしか夫婦や視覚障害をもつ息子と両親の関係性を把握することに焦点が合っていき、見えない部分をどうにか掬おうと裁判の行方を固唾を呑んで観ていた。
と、こちらの心の働きまで試され、解剖されてる様な感覚。まさにフィクションが現実を破壊する…を体感されられてる様で、なんか興奮したw
そんな次から次へと主観を揺さぶってくる展開や、その渦中で両親の〝わからない〟と懸命に向き合う息子ダニエルの恐れなど精神的にも堪える内容やけど、何よりサンドラ・フラーのどの顔が本質かを掴ませない演技、彼女の掌で転がされてる感覚が一番恐ろしかった。
また、親しみやすくて癒し系だけど、あくまで冷静に客観を貫くイケメン弁護士や、対する検事の高圧的で口達者な論告ショーも法廷を支配してて見応えがあった。
そして我関せずか、見透かしてるのか、ワンちゃんの印象的な瞳も忘れられない。
何も見逃すまいと意気込んで観たけど、2時間半ずっと集中が途切れなかったし、自分にしては珍しいw
めちゃくちゃ好き！
