パルムドール受賞作品ってことで観てきた。
ミステリーサスペンスかと思いきや緊迫感溢れる法廷劇をメインとしたヒューマンドラマだった。
転落死した父を視覚障害者の11歳の息子が発見。ベストセラー作家の母に疑いが掛かり、事件は裁判に持ち込まれる。
主観と客観、事実と憶測、リアルとフィクションがないまぜになった裁判で、真実の所在はどこまでいっても個人個人の主観的現実の中にしかないということをまざまざと見せつけてくる。
終盤、息子ダニエルが自ら決断して主観的事実を証言するシーンの説得力が凄くてグッと来た。
主演のサンドラ・ヒュラーを始めとした俳優陣の演技全てが上質で脱帽。
そんな中でも愛犬のスヌープ役のメッシ君が圧巻の演技で本当に凄くて驚いた。
鬱々とした作品だけど、とにかくあのスヌープの名演を観れただけでもこの映画の価値はある。