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落下の解剖学のmayaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.1
まず、法廷モノが映画の一ジャンルとして成立してるフランスやアメリカ、すごいと思う。小説で良かったのでは、、?とちょっと思ってしまうほど、脚本に寄っていて、映像にする良さが私はいまいち分からなかった...
私がここ2.3年で観た中だけでも、「別れる決心」や「エターナルズ」「ドライブマイカー」「ミナリ」と、多言語で会話する、母国語ではない言葉で話す、と言ったコミュニケーションのままならなさがテーマに置かれているものの一つでもある。夫婦喧嘩のフルパートが感情の山場になってるのは「マリッジストーリー」を思い出したのだけど、親の夫婦喧嘩が辛かった経験があると割と辛すぎる節はある。
ただ、一個夫婦喧嘩のシーンですごく良い体験になったのが、「夫と妻の立場が今までのステレオタイプの真逆に描かれてる」という点。妻のクリエイティビティの犠牲になる、献身を「お前が好きでやったんだろ、墓穴掘ったのはお前だろ」と責められる夫。妻と夫の役割を逆にしたり、半分にすることでは、「結婚」というシステムの不均衡を解決はできない。でもだから1人で生きてけって言うのも寂しいし、、人が複数人、生活を共にすることの難しさを痛感する。


追記
これ、なぜか後から「見て良かった、、、良かったな、、、、、」ってジワジワなってくる映画だ。まじでエンタメ性ゼロの映画の、こういう力の正体ってなんなんだろう???
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