TaroAshida

落下の解剖学のTaroAshidaのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.5
話題のアカデミー賞 脚本賞受賞作
「人里離れた山荘で、視覚障がいのある11歳の少年が転落死した父の死体を発見。最初は事故死かと思われたが…」というストーリー。

この映画にコナン的な劇的事件解決やアガサクリスティー的な"まさかの真相"を期待してはいけない。この映画は観るもののを価値観や偏見を問うてくる。「誰が悪いと思う?」をテーマに道徳の授業で流したらどうだろうか。そして、何より怖かったのが、当たり前のように第三者が当事者たちを裁く裁判制度の脆さ。
ネタバレにならないように書くと、事件の鍵を握る肝心の部分が録音された音声で描かれるため、私たちは陪審員と同じ立場で真相を推測するしかない。それで人生決める判決を下すの怖すぎ。品行方正に生きて裁判で裁かれない人生を歩もうと決意したくなる映画だった。
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