ム

関心領域のムのレビュー・感想・評価

関心領域(2023年製作の映画)
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2024-16(12)
美しい庭には陽の光が差している。子供達は学校へ行き、母親は家事をこなす。夕飯はみんなで食べ、夜は父親が本を読み聞かせてくれる。アウシュヴィッツ収容所のすぐ横で。

日に何千人もの命が奪われている異常を静謐な日常で塗りつぶす強烈な不自然を描いた作品で、退屈と感じた時点でそれは監督の術中にはまった証拠になる。

本作品の特徴は強烈な音響で、こちらの気が緩んできたタイミングで精神を抉るような"音"が耳に届く。そこで改めて今スクリーンに映されているのは狂気の沙汰なのだと認識させられる。

特にストーリーはなく、観ている人間の感性ではなく理性を刺激するとても興味深い作品だった。
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