アウシュビッツ収容所の所長一家が収容所の隣で豊かに暮らす日々。
見えないからこそ目を凝らし、耳を澄ませる。
登場人物の背景、そこで何が起きているのか、登場人物の目的は何か、何もかも具体的な説明はなく、観客は画面と音から類推することで脳内で完成するという構造の映画。
鑑賞中頭を使いっぱなしで、歴史的悲劇に基づいた話なので、鑑賞後はグッタリ。
映像は美しく、美術も凄いクオリティ。
現代のイスラエルとパレスチナ、そして我々を含めた世界とつながるテーマ。
ドキュメンタリックな世界観に織り込まれた映画的飛躍にハッとさせられ、考えさせられる。
近年稀に見る凄い映画体験でした。