たぬー

映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)のたぬーのレビュー・感想・評価

3.7
音楽をエネルギーに変換する惑星から来た少女とのび太たちの話。

アバンタイトルの人類と音楽の歴史をなぞるような演出から気合いを感じる。最近のドラえもん映画は製作者がドラえもんという世界観の中でできるクリエイティブを追求してる感じ。40年以上ドラえもんという世界観で毎年新しい作品を作り続けてるって凄いことだ。
今作のテーマである音楽。台所の包丁の音から動物の鳴き声など楽器の演奏に留まらない音楽の幅の広さと音のない世界の表現は劇場での鑑賞に相応しい。

宇宙空間に浮かぶ巨大な楽器というコンセプトは飛浩隆の「零號琴」をヒントにしたのでは。
ドラえもん映画はヴィランの動機が荒唐無稽で子供だましなのが弱点だったが、今作では意思を持たない細菌的な生物が脅威となるのでバカ悪役が出てこないのが良かった。
クライマックスの演奏で一瞬「夢をかなえてドラえもん」のメロディが入るのも良かった。リアルな戦場のカットもあざといけど良い。
たぬー

たぬー