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メリーゴーランドのBOKUMAのレビュー・感想・評価

メリーゴーランド(1974年製作の映画)
3.5
ドラマティックな作劇、メロディアスな音楽、難病という感動的な主題、の三拍子が揃った御涙頂戴もの。封切りされた70年代にハンカチ片手で観劇された方々の姿が容易に想像つく。

原題「L'ultima neve di primavera」は最後の春の雪、てきな意味があり、英題は「The Last Snows of Spring」。邦題は、恐らく最大の見せ場であるラストシーンを印象付けたかったからでしょう。

父親の都合に押され続けて、それでも努力して割り切るルカが健気。ヴェロニカが温かい人で本当によかった。

友だちのステファネッラにグッときた。ジャムにチーズにアンチョビをべったり塗ったパンを頬張る、食いしん坊な女の子。でもルカの病気が治るまでおやつ断ちしてるから早く治って、なんて言えるのすごい。

冒頭の詩はフランスの詩人、ジャック・プレヴェールの最初の詩集『ことばたち』の中の『この愛』の1/4ほどのイタリア語訳。

市街地、瀟酒な家、海沿いのリゾート地、荘厳な山など、背景が豪華。車運転する場面が多い。
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