愛にイナズマのももものネタバレレビュー・内容・結末

「愛にイナズマ」、最高でした。すんげぇ良い映画でした。石井裕也監督作品という意味で「月」の後に観てよかったな...

まず、キャスティング。
豪華すぎませんか！？ちょい役で趣里さんと高良健吾さんってどういうことですか！？ベテラン俳優さんたちもすごいメンツで、「豪華キャストが勢揃い」とはこのこと。
メインキャラクターも人気俳優さんばっかりでしたが全員すんごい良かったな。松岡茉優さんのお芝居久しぶりに観てやっぱり好きだなと思いました。窪田正孝さんの壊れそうに純粋な役作りも素晴らしかったし、池松さんも若葉さんも良かった。池松さんはセリフもサイコーだったね。いっぱい笑わせてもらった。
ただ私が1番グッときたのは仲野大賀さん...！尺はあんまりなかったけどその存在感はすごかった。スクリーンに映っているだけなのに目を逸らしたくなるほどの目力。いつも圧倒されます。

そしてリアルかリアルじゃないか、芝居か芝居じゃないか、真実にしか興味ないという切り口、まさに映画人らしい観点でおんもしろかったァ。じゃあ真実って何なんだよっていう。でもだんだん人物たちがリアルを取り戻していく。それは確かで、そこがグッときたよなァ。

石井監督はすんごいアナーキーで、この社会への疑問をまっすぐに表現しようとする監督で、月はそれが度直球だったと思うんだけど、今回のはそれをラブストーリーに組み込むことで風刺的なジョークにもなっていたりして面白かったです。あとやっぱ現実を見ようとしない人たちへの怒りは二つの作品に共通して見られて、それも良かったな。そういうの嫌いなんだろうな監督。

今回のは正直「月」よりも人物が立っていた。リアルだったと思います。「月」はちょっと、女性の描き方に問題あったと思っていて。妊婦の描き方が全然リアルじゃないと感じられたので。

撮り方の面で言うと人物のヨリの画がしつこいくらい出てきたのもよかったなァ...あんなの上手な役者さんにしかできないよ。贅沢だったなぁ。

ちょっと説明くさいなというか、台詞にせんでもいいのではという箇所もあったけど、でも「愛にイナズマ」、すんごい良かったです。もう一度観たい。