ゆりこ

愛にイナズマのゆりこのレビュー・感想・評価

愛にイナズマ(2023年製作の映画)
4.0
幼少期からの夢である映画監督としてのデビューを控える折村花子だったが、理屈やら業界の常識やらに揉まれ、挙句の果てに夢を奪われてしまう。夢を諦めきれない花子は、バーで出会った正夫と、10年会っていない家族を頼り復讐を誓う。
予告見て、勝手にメンヘラ系女子と掴めない系男子のこじれた恋愛映画かと思ってたが全然違った。社会の理不尽さ、それに対抗するのは一見バラバラだけどチームワークばっちりな家族。前半と後半で、そもそも舞台が違うし、肩身狭そうだったのに振り切ってる花子と全然違って痛快。前半散々“なんで”と詰められた映画の中身が紐解かれていくのと、10年のブランクがある家族が徐々に本音をぶつけ合っていくのが面白い。その中で、カメラの有無、コロナ禍ならではのマスクの有無、映画のカットなんかを絡めながら、何が嘘で本音なのかを深掘りしていくのもまた面白い。最後には折村家みんな愛おしくて、もうずっと喧嘩見ていたかった笑。
実は上映中とてもトイレに行きたのだが、数分に1回大事な展開やおっ!と思う台詞があったので全然席立てなかった…笑。
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