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タイタニックのmtのネタバレレビュー・内容・結末

タイタニック(1997年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

金曜ロードショーにて放映されていたものを録画してみました。

名作とは昔から聞いていたものの有名なシーンしか知らず、誰が生存するのかも知らないまま鑑賞。

重いテーマで全体的に重厚感がありつつも、青春の甘酸っぱさや煌びやかな画面、優雅な音楽なども散りばめられ魅力に溢れた映画だった。

何よりこの映画でのディカプリオがかっこよすぎて前半では見事に心奪われ。ひたすらにドキドキして見ていた。

だが後半の氷山衝突シーンからは雰囲気がガラッと変わり手に汗握る場面の連続で。

前半では忘れかけていた青春の甘酸っぱくきらきらした側面を見、後半では極限状態で金や地位、その他諸々を削ぎ落として命の瀬戸際にある時、人は何を自分の命の1番近くに据えるのか考えさせられた。

ある人は自分の仕事への誇り、ある人は情熱を傾けた音楽、またある人は愛する人との最期、子どもを安らかな眠りの中で静かなる死を迎えさせてあげる事…と千差万別のものがあった。

全てを削ぎ落とした時、命の1番近くに据える大切なものはなにか。それがその人のこれまでの生き方、生き様を表すものであると感じた。

私はもしその様な極限状態にさらされたら、一体何を大切に胸に抱いて死ぬだろう。と考えた。

凄く難しい問いだ。
もし可能であるならば家族や恋人、大切な友人に「たとえ短い命であったとしても、この世に生を受けて良かった」「そして貴方と出会えて本当に良かった」と心から伝えたいなあ。
感謝を大切な人たちに伝えたい。

と、感想の軸が逸れたが。

後半、船が沈んでゆくにつれてジャックの行動が普段の恋人のそれにしか見えなくなって。
同じ状況に陥ったら必ずジャックのように命を懸けて私を導いて守ってくれるのが容易に想像できて。
普段あまり気付かないけど凄く凄く大切にされてるなあと感じて。
だからジャックが海に沈むシーンは自分でも信じ難いほど嗚咽してしまった。

彼が居てくれる事があまりにも私の中で当たり前になってしまっていて、日頃から感謝を伝えてはいるつもりだったけど、今のこの時間の貴さや尊さを本当の意味では分かっていなかったように思う。

思っていた以上に、彼の存在が私の中でいつの間にかとても大きくなっていたんだなあと気付かされた。

タイタニックに乗っていた様々な人々の物語を胸に刻んで、これからの毎日を当たり前じゃなく大切に歩んでいきたい。
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