このレビューはネタバレを含みます
恋人を殺した殺人犯の復讐を果たした次の日、また同じ日がやってきて何度も殺人を実行しなければいけないループにはいった男の話。
殺人だけでもかなり精神と体力に来るのに、さらに死体遺棄という重労働を課せられる、かなりキツイループ。そこから、殺したい相手との殺人ゲームが始まるのかと思いきや、描かれるのは不思議な友情。
いくら気が済んだとはいえ、最愛の恋人を殺した相手を受け入れる(というか飽きたように見えた)になるプロセスがあっさりで、多少ついていけなかったけど、自分が殺す側になり、さらに、死というものがあまりにも平坦化(？)されたこの世界では、感覚がバグってるだけのように見えた。
被害者遺族救済というより、感覚を麻痺させて何も感じなくさせているような世界。だから、主人公は最後事故って大怪我を負って運が良かったのかなぁと。あれで死のリアルが感覚として多少は戻ったんじゃないかな。
でも個人的にはループの世界観がやけにご都合主義だったり、犯人との心の交わりを省いているのが、全部｢仮想現実だから｣で説明をつけてしまっているのが勿体ないなと思った。まぁでも何回も殺される可哀想な伊勢谷さんが良かった。あれはもう、伊勢谷さんが本人として出てきてるように見えたから（笑）
