千彩

リバウンドの千彩のネタバレレビュー・内容・結末

リバウンド(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

廃部寸前の弱小バスケ部が、
指導経験のないコーチと寄せ集めのメンバーで、
全国大会予選突破を目指す。

……これ、嫌いな人います??私はね…好き。

好き過ぎて、今年イチ沼っている。ツボっているのである。やばい。
まだ、2回しか映画館で観られていない。あと2回は観たい。でも終映が早過ぎるんだよ!まだ待てない人は急いで映画館に行ってくれ!!!

スポ根王道映画は元々好きだけども、バスケには特に興味はなく。
キム・ウニが脚本に参加している、というだけで観に行ったのだけど。
そして、序盤のコメディ色の強い演出に「ちょっと苦手かも〜」とも思っていたのに。

後半はもう夢中になっていたのである。チョロいな、自分!

メインのギボムとギュヒョクの顔と名前は一致しても、他のメンバーを覚えられず後半混乱をきたしたこともあって、翌日早速「おかわり」してしまった。したら、初回は覚えられなかったガンホとスンギュがやたら仲良しで、微笑ましいコンビだと気づいたよ!

『バスケは終わっても、人生は続く』

この映画のよいところは、この「バスケは終わっても、人生は続く」というテーマを最初から最後まで、ブレずに描き続けてくれるということ。
最後の最後に、急にコーチが「イイ話」としてスピーチして、観客を泣かせるわけじゃない。
この作品はずっとこのテーマをエピソードとして描いていて、しかも選手たちもとっくにそのことを理解しているのだ。だから観客も、選手がそのことを理解していることを知っているから、最後のスピーチにグッとくるのだと思う。
特に好きなのが、決勝戦前夜、屋上で交わされるガンホとスンギュの会話だ。ギボムやギュヒョクとは違い、自分たちはこの先バスケを続けることはできないだろう、そうして大人になっていくのだ、という、残酷な現実にすでに2人は気がついている。そのことを、観客に見せる。
ギボムは泣いて縋り付くコーチの姿に、ギュヒョクは自分の壊れた足首に、「バスケが終わっても、続いていくだろう人生」をとうに見ているのだ。
リバウンドを取り続けろ。とって、チャンスに変えろ。
熱い。これが実話とか凄過ぎる。
しかも結局、ガンホもスンギュもプロ(実業団?)に入って、バスケを続けたのだからすごい。

ヒロイン不在、嫌な敵チーム、敵選手もいない。
いいの。これでいいんだよ!!と叫びたくなるシンプルさ。
上映館数少ないし、上映期間も短そうなので、ぜひみんな急いで映画館に(複数回)行ってほしいなー。
千彩

千彩