千彩

非常宣言の千彩のネタバレレビュー・内容・結末

非常宣言(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!怖かった!
2023年、映画初め。

今まで(なんとなく)避けていたイ・ビョンホンがめっちゃかっこよかった…最後の白シャツが発光して見えたよ。

始めから終わりまで、映像にチープなところがないのがいい。見ていて居心地悪くなることがない。
チープな映像って、やっぱり醒めるし、居心地が悪くて、没入感が阻害されるので。

途中の「交通事故」のシーンが凄すぎてびっくり。
え、そこにそんな力注いじゃう!?豪勢すぎない!?って思ったけど、韓国では4DXでの上映があったのか…もはや事故の疑似体験だな。
私もラージフォーマットで見たかったっ

自衛隊機の威嚇射撃は流石にやりすぎだろーって思ったけど、よく考えるとあれは必要な演出なんだよね…
副操縦士的には、なんとしてでも成田に降りたい。安全に(燃料的にも本人の体調的にも)降りられるラストチャンスが成田だったから。
…という状況で、「日本に着陸しないでくださーい」なんて警告だけで引き下がるわけにいかなくて。(引き下がっていたら、「いや、無視して降りろよw」って思う。でも、映画的に成田に降りるわけにいかないでしょww)

しかも、直後の日本政府の発表に「日本の言い分にも一理ある」みたいな展開もあって「随分気を遣わせちゃってますね」って思ったww
変異の可能性に展開していくのも合わせて、観客にはわかりやすい。
しかもそのあと、韓国空軍のウェルカムな歓迎も「むしろ怪しい」って繋がっていくのもうまいです。
日本の対応に反感を持った分、「え、同じことを韓国でもやるの?」みたいな恐怖ね。うまいよね。ぐぬぬ。

飛行機の旋回を窓から差し込む朝日の光で見せるシーンとか、それぞれに「最後の別れ」を終えて絶望する客室に灯るメール着信の光とか。いちいちわかりやすくて、美しい。

あと、犯人の住んでいたマンションから住人達が逃げるシーンで、ビニール袋とか被って逃げている姿が結構あって。これ、コロナ前なら「バカバカしいパニック描写」なんだけど。
実際にゴミ袋を被って治療に当たっていた医療者を見てきたコロナ禍を思うと、なんとも言えない気分に。なんか抉られてしまった…

ツッコミどころは多々あれど、140分の長さをまったく感じさせない緊張感は、映画館で味わうべき。

しかし、もう飛行機乗りたくないなー(もともと、飛行機怖い人なので…)
千彩

千彩