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四月になれば彼女はのJPのレビュー・感想・評価

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.3
▼映画に「共感できる」って必要?

思ったより、悪くないぞ!
やれ共感できないだの、登場人物の気持ちがわからんだのと、巷で酷評されてるけど、そもそも「共感できる映画」=「面白い映画」なのだろうか?共感できなくても面白い映画はたくさんある。わからない、というのは余白がある証拠だし、どうしてだろうと考えさせてくれるのは、歯応えがあるということ。それが楽しめない人は仕方ないっちゃ仕方ないけど、みんなそんなに分かりやすく共感できるだけの作品が好きなんだろうか…?


▼邦画好きは見ろ!

仲野太賀に中島歩、竹野内豊に、なんと河合優実まで!邦画好きなら垂涎必至の豪華キャストが、山田智和監督のバチバチに美しい画の中で、化学反応を起こしている。まさか河合優実が佐藤健と共演するとは…!もう来るべきところまで来た!このままもっと売れてほしい。


▼もちろん、ツッコミどころはある!

中島歩が大学生やってるとか、竹野内豊が「…眠れないんだよ…。くるしいんだよォ…」とか言うだけでその後一切出てこないとか、森七菜の現在が大体予想つくとか、長澤まさみが鬱すぎるとか、いいんだよ!そういうのは!笑
あとあれな?佐藤健痩せすぎ問題な?わかるよ?もう草彅剛とかサカナクションの山口一郎くらい頬骨浮いてたもん。もはやホラーマンだよ。でもだからこそ、まだ大学生役ができちゃう佐藤健なんだよなあ…。
だから、ツッコミ所も含めて楽しもうぜ…?!こんな豪華キャストでこんなことやってる映画、あんま無いんだから!笑

▼藤井風ファンは見ろ!

少なくとも、藤井風の新曲「満ちてゆく」を、これ以上ない心のコンディションで聴ける映画であることは断言できる。配信されてから鬼のように聴き込んだし、MVも好きすぎて何回も見たけど、この映画を観て、ようやくこの曲の真価を理解した。歌詞の意味も違ったように読み取れるし、まさにこの作品のために書かれた曲!この曲が好きな人はもちろんのこと、藤井風ファンはこの映画観ないとマジでもったいない。
エンドロールへの入り方とかもめっちゃかっこよくて、座席に座ったまま一人で「くううぅ〜!」って悶えた。

▼(ややネタバレあり)



もちろん、二人が何事もなかったかのように動物トリビア言い合って締めるってどんな幕引きだよ、とは思いつつ、カッコよさが上回ってた。
それに、弥生の鬱症状を根本的に解決する映画にはあえてしていないと思う。そこは今作の目的ではない。また彼女は失踪するだろうけれど、鬱とはうまく付き合っていくしかないのだ。そこも含めて、キレの良い幕引きだったと思う。
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