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グランツーリスモのJPのレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
3.7
圧巻のレースシーン! 「ワイスピ」的に車のマシン部分のカットが瞬時に挟まったり、爆音で鳴り響くエンジン音の使い方、車をとにかくカッコよく撮るアングルなど、もう見応えしかない!
ゲームの画面にシフトしていく演出が、フラット画角のスクリーンだからこそ完璧にキマってる!IMAXはやっぱスコープ・サイズよりもフラット・サイズの方が映えるなあ〜!
(余談だが、実際のカーレーサーを追体験できる「グランツーリスモ」というシステムが、観客にレースを極限のリアリティをもって体感させるIMAXという上映システムと呼応しているようにすら感じた。)

前輪が浮いて、地面と垂直な状態で滑ってクラッシュするあの事故のシーンの恐ろしさ。主人公にしっかりトラウマを植え付ける説得力が抜群。
からのリハビリのシークエンスが◎
事故の傷は消えないが、それにどう向き合うかで自分が何者かが決まる。ジャックの言葉が刺さる!
「ゆっくりでいい。ラインに集中しろ」と助手席で声をかけながら夕陽に照らされた道を滑走するカットが、まあ美しい。

さて、「モータースポーツ版トップガン」とはよく言ったもので、命を賭した危険な超高速マシンに乗る若者と、前線から退いたオッサンとのアツい絆は確かに「トップガン マーヴェリック」とも通ずるものがあった。だがもちろん「トップガン マーヴェリック」よりも面白くなるなんてことは当然なく、怒りをエネルギーに変えて死の恐怖を克服する、という終盤の展開は流石にスポ根すぎというか脳筋すぎというか…。そこにノれなくても楽しめるっちゃ楽しめるけれども。また、「マーヴェリック」は人命を救助したり、ヤバい敵国を止める重要なミッションという動機づけがあったが、今作のモータースポーツはただただ危ないだけの娯楽でしかなく、いくら父親やジャックの諦めた夢を自分が叶えるんだ!という大義があったとて、「24時間走りっぱなしって、エネルギーと人件費めっちゃ使ってなんなんだこの大会…」というどこか冷めた自分も顔を出したりした…。
あと、GTアカデミーの寝室、女性も男性と同じでっかい部屋で寝るのってマジか…??
JP

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