TAK44マグナム

DOOM ドゥームのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

DOOM ドゥーム(2005年製作の映画)
3.5
要は、火星のデビルマン!


現在ではビデオゲーム界において主流なジャンルとなったFPS(ファーストパーソンシューティング)ゲーム。
個人的にも一時期ハマって、オンライン対戦を何時間も続けているうちに夢の中でも戦場にいるかのように感じるようになってしまったのですが、やはり一人称視点ならではの、自らが戦っている感の強さが人気の秘密でしょう。
そんなFPSゲームの歴史上でも特に重要であり、元祖ともいえるゲームが「ウルフェンシュタイン3D」、そして同作を更に進化改良させたのが「DOOM」です。
本作は、そんな「DOOM」の三作目を原作にしたSFバトルアクションホラーで、主演は「ジャッジ・ドレッド」のカール・アーバン。
共演に「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイク、「31」「マンディ/地獄のロードウォリアー」のリチャード・ブレイク、そしてまだザ・ロック名義だったドウェイン・ジョンソンが部隊の指揮官役で出演しています。
当然ですけれど若いし、演技も一辺倒で、何よりもボディが若干細く見えます(苦笑)
また、人間でない役をやらしたらこの人!のダグ・ジョーンズが、やはり非人間役(苦笑)

監督は、「ロミオ・マスト・ダイ」や「電撃DENGEKI」等のヒップホップカンフー映画で有名な?アンジェイ・バートコウィアク。
可もなく不可もなくな作品ばかりなイメージの監督さんですが、「ブラックダイヤモンド」みたいに勢いのあるのも撮れるし、本作も普通に面白くはあるので、上り調子なアクションスターと組ませると活きる職人肌なのかもしれません。


近未来、火星へ瞬間移動できる謎の装置「アーク」が発見され、人類は飛躍的な進歩を遂げていました。
火星の遺跡を発掘調査していたオルドバイの研究施設でアクシデントが発生し、すぐに軍曹(ザ・ロック)以下8名の海兵隊精鋭隊員が事態の収拾のために派遣されます。
メンバーには、現地で働く考古学者の姉サマンサ(ロザムンド・パイク)をもつリーパー(カール・アーバン)もいました。
「アーク」によって火星へ移動した部隊は、アクシデントの元凶である「何か」が地球へ侵入するのを防ぐために「アーク」を封鎖。
研究所内へと進む一行を出迎えたのはサマンサでしたが、出迎えは彼女だけではありませんでした。人外へと変異した研究所員たちもリーパー達を手荒く歓迎、次々と隊員たちが襲われます。
何故、所員たちは怪物化してしまったのか?
その答えは、サマンサがダウンロードした研究データの中に残されていましたが、それは恐るべき事実でした。
はたして、リーパー達は火星を脱出できるのか・・・?!


Netflixのマイリストにずっと入れたまんまだったのですが、配信終了直前との事で、急いで鑑賞した次第。
観てみると、ゲームが原作というのがよく分かりますね。
「DOOM3」から設定だけ借りたシナリオは、出鱈目でペラペラ。
よくあるモンスターパニックもので、それ以上でもそれ以下でもありません。
完全に怪物化するまではゾンビっぽいので、ほぼゾンビホラーと言っても差し支えないでしょう。
クリスチャンのゾンビが自殺する珍場面もあり。

スラッシャーホラーの定義通りに、1人また1人と狩られてゆく展開は何百回も見てきたものなので最後のオチに期待する他ないわけですけれど、シューティングゲームが原作なのに格闘バトルがクライマックスなのはご愛嬌か。
決着のつけ方は悪くありませんでした。


ゾンビやクリーチャーをバリバリと撃って駆逐してゆくので爽快感はありますね。
特に、終盤で唐突に一人称視点になり、まるでFPSゲームをプレイしているような演出が施されるのですが、ワラワラと現れるゾンビ共を撃ちまくるのは快感!
ホラーだからなのか、何故かチェーンソーで切り刻んだりも(苦笑)!
飽きる前に視点が戻るので、適度に原作ゲームっぽさを楽しめるのが良いです。
全編一人称アクションで酔いまくりたい方にはヘイリー・ベネットが悩ましい「ハードコア」がオススメ。


目に見えて残念だったのは、主人公とヒロインの間にどんな確執があるのか等、そういうドラマ的な側面がまったくもって薄口なところで、最初から最後まで海兵隊とクリーチャーが闘うだけなのでストーリーがすこぶる浅い。
結局、リーパーとサマンサの関係がギクシャクしていたのも曖昧なままで終わってしまうし、だったら普通に元恋人同士だったとかで良いじゃない。
どうして、わざわざ姉弟なんて設定にしたのだろうか?
姉萌え、弟萌えにしたかったのかな(汗)?
ロザムンド・パイクの、服の上からでも分かるオッパイの大きさは素晴らしかったですけれど、カール・アーバンの眉間の皺ばかり見せられても、こちらが困ってしまいますよ。

まったく活かされていないと言えば、ロック様が使う最強銃器BFGも使われ方が勿体なかったかな。
派手な破壊力なのは良いですが、もっと効果的な場面でブッ放して欲しかった!


ロック様が違った意味で活躍する終盤の展開が一種のサプライズなのかもしれませんが、それは現在だからこそ気が利いているように見えるだけ。
本作の公開当時は別に話題にもならなかったと思うので、いわゆるキャラクターの立ち位置を含めて、テンプレートな内容のまんま終わってしまう映画でした。
しかしながら、閉鎖された空間でクリーチャーやゾンビが特殊部隊と闘う映画の中では、まだ良作の方だと(「エイリアン2」や「プレデター」を除いての、相対的な意味で)思います。
積極的にオススメは出来ないにしても、暇つぶしにはなるでしょう。
まだ荒削りなドウェイン・ジョンソンを見たい方には価値があるかもしれません。


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