ぶみ

犯罪都市 NO WAY OUTのぶみのレビュー・感想・評価

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
3.5
悪党一掃!

イ・サンヨン監督、マ・ドンソク主演による韓国製作のアクションで、2017年公開『犯罪都市』、2022年公開『犯罪都市 THE ROUNDUP』に続くシリーズ第三弾。
麻薬取引の捜査を進める主人公等の姿を描く。
前作までは鑑賞済み。
主人公となる刑事マ・ソクトを過去シリーズ同様ドンソク、麻薬捜査官をイ・ジュニョク、日本の暴力団である一条組の会長を國村隼、同組の殺し屋を青木崇高が演じているほか、イ・ボムス、イ・ジフン等が登場。
物語は、前作の事件解決から7年、ソウルの衿川警察署から広域捜査隊に異動となったソクトが、女性の転落死事件をきっかけに、麻薬密売事件の真相に迫る様が描かれるのだが、一作目、二作目が警察側のメンバーが同じであったのに対し、本作品では前述のように、広域捜査隊に配属となっていることから一新されているものの、そのチームワークは健在。
何より、麻薬密売のカギを握るのが日本のヤクザで、そのキーマンを國村と青木が演じており、台詞は少ないのだが國村の存在感たるや抜群であると同時に、日本刀を武器にアクションを繰り広げる青木も、日本のヤクザを印象付けるには十分な演技を見せてくれている。
外国映画で日本人が日本語の台詞を喋る場合、字幕が出ず、往々にして台詞が聞き取りにくいケースが多かったり、日本人の役を日本人以外のキャストが演じる場合、片言の日本語に違和感が出る場合が多く、本作品でも一条組組員を韓国人キャストが演じており、一抹の不安があったものの、台詞が聞きづらいこともなく、また日本語にも違和感はあまりなかったのは良かったところ。
そうは言っても本作品のハイライトは、やはりマブリーことドンソク演じるソクト刑事のパンチ力であり、当たった時の音や、相手が吹っ飛ぶさまは爽快の一言で、どんな凶悪事件でもソクトのパンチがあれば、瞬時に解決できるのではと思わせるもの。
本国では、本作品の後に公開された『バッドランド・ハンターズ』で、銃器をぶっ放すという貴重な姿を見ることができたドンソクなのだが、彼に似合うのは、バックドロップ等があるものの、やはりパンチ中心のボクシング・アクション。
そんなアクションを勧善懲悪の物語と、恋愛要素を一切廃したコメディものの中に詰め込んだ内容は、期待どおりのものを期待どおりに見せてくれるものであり、想像を絶するような展開はない反面、爽快感を得られるアクションを観たい時にはうってつけの作品であるとともに、麻薬捜査官を演じたジュニョクが途中から原田龍二に見えていた一作。

ジャジャーン。
ぶみ

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