ふぇりな

ローマの休日 4K レストア版のふぇりなのレビュー・感想・評価

4.3
旅先映画館、今回初めて池袋のグランドシネマサンシャインさんにお邪魔しました。新しくとても綺麗で、内装が非常に凝っていて、映画好きならテンションが上がる資料もたくさんあり、さらにはフードまで充実しているという神映画館でした。地方民なのでなかなか行けませんが、ぜひまた行きたい映画館でした。

さて、私事ですが、こちらのレビューで600本目となります。記念すべき600本目、何がいいかなと思っていたら、なんとずっと観たかったローマの休日の再上映があるではないですか!これは観ざるを得ませんね。

あまりにも有名な作品ですから、多少の予備知識はあったのですが、「王女であることを隠した主人公が何も知らないイタリア人男性と出会い、遊びまくる…」みたいなお話かと思っていたら、かなりイメージと違って驚きましたし、新鮮でした。私はどこでそんな映画だと思ったんだろうか…。笑

主人公アン王女は、天真爛漫で、でも不自由なひと。対するジョー・ブラドリーは、記者であることを隠しつつ、彼女の自由を謳歌する手助けをします。最初は自分の利益のために彼女を利用しているようで、ブラドリーのことを好きになれなかったのですが…最後まで観て、やはり彼は紳士で、何より愛情深いひとで、それでも立場や今後を慮る思慮深さがある素敵な方だなと思いました。そもそも、この映画には基本的にものすごくいい人しか出てこないので、安心しかないですし心あたたまります。
全体的にコメディ要素が多く、冒頭のヒールのシーンから、終盤の浮き輪を投げるシーンまで、丁寧であたたかなくすっと笑える描写の一つ一つに感動しましたが、最後にキラリと光る一粒の涙…あれが忘れられなかったです。身分違いの恋、国のため国民のために生きる、抑圧されたアン王女…産まれでどうにもならない現実、切ないですね。それでも、永遠に大切にできる思い出が出来たこと、そんな奇跡を観られて最高でした。

ブラドリーのような控えめでもたしかな優しさ、私も持ちたいと思いましたし、あんな忘れられない一日を過ごせるのってどうであれ幸せだよなと感じました。大好きな映画になりました。
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