ふぇりな

ヘルタースケルターのふぇりなのレビュー・感想・評価

ヘルタースケルター(2012年製作の映画)
3.0
体調良くないしなんか気軽に最低な気分になりたいなと思って観ました。まあ、心身ともに弱くなってる時に観る作品ではなかったかもしれませんね。笑 ただ求めていたものは得られたし、思ってたほど悪くもなかったです。

女性陣の演技の素晴らしさに比べると、どうしても男性陣が霞んでしまいます。沢尻エリカは「全身整形の完璧な美」を演じるの色んな意味ですごいなと思ったし、不安定な部分も見事でした。でも本人にリンクしていると感じちゃうから、演技なのかどうなのかっていうのは惜しいですけども。
あと、みなさん言われてますが寺島しのぶさんが最高でした。複雑な感情、虜にされても芯のところは変わらない感じ、ある意味いちばん怖いかもしれません。桃井かおりも役があっていたし、こういう敏腕ワンマン社長いそうだなあと感じました。

蜷川実花は元々合わないなと感じていたんですが、やっぱり合いませんね。はっきり言って演出に関してはうるさいし薄くて寒かったです。「もっと知りたい~携帯で調べてみようよ~」なんてJKが言うわけないだろ(笑)とかツッコミながら見てました。てか本来えぐい消費をするのはJKじゃなくて男性だろうに、描くものを間違えてる。JKのことバカにしすぎでしょ。

醜形恐怖だったり、摂食障害だったり、自分が求められなくなる/誰にも愛されないっていう不安や、消費されていく虚無なんかは現実にずーっとあるものだし、そのテーマ性はいいのに、表現が弱すぎて作中通り消費で終わってる作品でした。何も得るものがないしメッセージもない。結局何がしたかったんでしょうか。そういうことが蔓延ってる芸能界で作ってるんだし、そこまで求めるのがダメなのかな…。そもそも整形で顔が歪むとかじゃなくて痣とかいうリアリティのなさだから、作られた地獄ってとらえるのが正しいですね。結局性描写とか過激さで釣ってて、そういうのが1番醜悪なんじゃないかと思いました。釣られた私も私ですが。

蜷川実花は写真だけとってて欲しいなーと強く思います。私もこんな軽い映画を欲望のままにとって評価される人生だったら良かったのにな!!(皮肉)
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