キモサベ

ほつれるのキモサベのレビュー・感想・評価

ほつれる(2023年製作の映画)
3.3
だんな、面倒臭ぇ~っ  すみません、文則のことです

だからといって綿子に同情するかってぇと、しませんよ
こんな(失礼)“心ここにあらず”女のことなんか

・・・って、すみません、冒頭から言葉がキツくなって
でも、観ているこっちも辛いんですよ、登場する人物の誰にも寄り添うこと(共感)ができない映画って
もっとも人様のこと、とやかくいうつもりはございません
結局のところ、不倫に始まり、不倫に終わる物語でしたから

さて、別の方向へ
加藤拓也監督さんはお初でした 役者さんの細かい演出も見事でしたし、何より落ち着いたシーン(間というか、カットというか)が多くて、観ている自分に“考える余裕”を与えてくれました・・・『お客に優しい』映画と言ってよいでしょう
(これなら、人にも勧められます)

門脇麦も冒頭書いた“心ここにあらず女”を見事に演じました
自分も近いところでは、「天間荘の三姉妹」(2021年)、「あのこは貴族 」(2020年)と観てますが、幅広い役を演じられる女優さんですよね

それと黒木華ですが、どこかで書こう書こうと思っていたのですが、見ているとほんと“浮かれた”ところのない、お芝居を大切にしている女優さんだなぁと感じます
本作のような、決して大作ではない作品や、役の大小にかかわらず存在感発揮しますよねぇ
本映画界の宝、この先30年や40年安泰です

【追伸】
この映画のもう一人(一つ・・・です)の主役は『指輪』でした
綿子の『指輪』に関係する場面での仕草(何気ない表情)や心情(心の動き)を追っていくだけでも“ゾクっ”としちゃいます
キモサベ

キモサベ