なっちゃん

哀れなるものたちのなっちゃんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
3.6
見た。一生分のエマ・ストーン浴びた。てかこれオスカー主演女優賞枠誰も勝てんくない?これよりすごいなら今年の賞レース怖いねんけど。

ロブスターでもそうやったけど、ヨルゴスランティモス、「結婚できなかったら動物になる」とか「胎児の脳を自殺した母親に移植する」とかいうギミック設定を展開するの抜群にうまい。

"polite society"を「あーそうだったそうだった」と面倒な建前として扱う姿勢とても好き。めっちゃ馬鹿にしてるよね。(笑)

セックスワークへの立場は個人的にはむむむ?
娼館シーンは妊娠しないかハラハラしてたよ私は。セックスが女性にとっても肉体的快楽を伴うのはそうだが、その一方で女性には妊娠のリスクがある。
それを全く考慮せずにセックスワークを肯定的に描かれると。ビジネスとして、避妊をシステマチックに安全に整備できないなら職業としてはなくなるべきだと思っている。
その上でセックスワークを選択するならそれは尊重されるべきやけど、お金ないから仕方なくセックスワーク…という女性がひとりでもいるならそれは健全ではない。
ベラは自由な立場で快楽を愛してたが、やっぱりセックスワークしてる女性はみんな性行為好きなんだ!というオジサンが増えませんように。

2時間半とおして、さてこの世界の一体なにが Poor things なんでしょうね???というメッセージが聞こえる。
ベラ?貧乏で死ぬ赤ちゃん?男性?polite society?資本主義?社会主義?束縛?ゴッド博士?
全員愚かな一面はあったので、人間ぜんぶPoor things なんかもね。
という凡庸な結論にしかたどり着けませんでした。
なっちゃん

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