なっちゃん

アメリカン・フィクションのなっちゃんのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.5
冗談で誇張して書いた黒人小説が思わずヒットしちゃう話、と聞いて鑑賞。が、それより中年クライシス的な側面が強かった。
うまく折り合えない仕事、認知症の母親、ゲイの兄弟、兄弟の死などなど。
アメリカ(てかほとんどの先進国)の家庭に今ある問題詰め合わせ。
「アメリカは元受刑者でも金持ちにしてくれる国」というインタビューでの発言も、ラップをする底辺貧困の黒人もフィクションであり、
モンクの生活シーンで描かれる姿こそがいまを生きるアメリカ人のリアルなのである。

家政婦ロレインの結婚式当日のシーン全部よかったな。
朝から家がわやになっててモンクが怒るけど、ロレインはにこにこしてて「いてくれ」って言うの感動した。
それに警官のおじさんが「他人の家族のほうが扱いやすい」と言い、モンクが「残念ながらあんたも今日からその一員なんだ」っていうあたりで、この家族まだ全然修復可能だよな~と思った。
「俺には良さはわからないけど、みんなお前を愛したいんだよ」という兄弟もよかったしね。
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