ピノッキオが女だったらこうだったのかな、と思いながら観た。
良識なんて下らないさ、と自分を連れ出した男が、自分のものになった女には良識を求めてみたり、馬鹿でセックス好きな美人が至高だから知恵がついてきた途端に面倒になったり、性に奔放であることを喜んでいたはずが自分以外の男へも奔放であることが許せなかったり、そんな戯画化された"オトコ"論理濃縮世界を自分の頭と身体で泳いでいくベラ、良かったなあ。善悪の彼岸にいて、ロジックとエビデンスで物事をみて(パパa.k.a.創造主ゴッド譲りだね)、理不尽を知って機微を理解して、世界を獲得する姿の神々しさよ。
女たちの連帯もよかった。パパの助手兼世話係、客船で旅をする有閑マダム、娼館でできたお友達。我々は学ぶことができ、自分の身体を所有し、連帯することができる。そんな当然のことを改めて思いしれた。よかった。
エログロたっぷりの18禁でエンパワメント作品って可能なんだな……すごいな……。