このレビューはネタバレを含みます
赤ちゃんから大人へ。
白黒の世界からカラフルな世界へ。
少女から女性へ。
時代設定は近未来なのかそうじゃないのか古いものと混じったディストピアンな世界観で引き込まれました。
一見衣装や家の内装は中世っぽいスタイルだが、例えばあの黒いブーツやサングラスは現代風で、上手く違和感なく現代のファッションと融合されていました。
iPhoneの写真撮影の0.5倍のような広角レンズによる撮影も新鮮でした。
観ている側も実際の距離感で登場人物と接しているみたいでした。
赤ちゃんの成長や学習能力の速さをエマストーン演じるベラが全身を使って表現し、その過程を冒険の中で色んな人や物に出会う中で見ていくという展開が飽きさせませんでした。
まさに、「可愛い子には旅をさせよ。」
そして女性の物語としても社会的で現代的な内容になっていました。
男性優位の社会でどれだけ女性が抑圧されているのかを、赤ちゃんの段階から学んでいるベラの目を通して再認識することができました。
この映画では主要な男性が5人出てきますが、まず1人目のGod(ウィレムデフォー)はまさにベラにとってのお父さん。2人目のマックスは純粋な愛があって理想的な旦那候補。3人目のダンカン(マークラファロ)は遊び人のくせに最終的にベラに恋してしまうダメ男。4人目は船で出会う教養のある哲学嫌いの男。そして最後の5人目はヴィクトリアだった時の旦那で、まるでトリを飾るかのようにThe支配的な男性代表。
この5人がそれぞれベラに考え方やモノの見方に影響を与えて個性が形成されていくのも面白かったです。
ベラの歩き方や顔つきがみるみる変わっていく所でエマストーンの演技力が光っていました!