ツクヨミ

哀れなるものたちのツクヨミのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
1.7
ゴリゴリの撮影美術と束縛からの解放。
ヨルゴス・ランティモス監督作品。ランティモスの最新作が公開、2024年アカデミー賞でなかなかに注目度が高いらしく気になって見てみた。
まずオープニング、画面の囲いにスタッフロールを置く芸術性よ。前作"女王陛下のお気に入り"でも顕著だった独特な芸術感がやべぇアク強めで笑う。そして相変わらずの広角レンズの使い方すげぇビジュアルにクラクラする、前作よりさらになんか強くなってるえぐみからして画面に釘付けになってしまう。
まあストーリーに関しては"籠の中の乙女"のその後みたいもん、束縛からの解放をファンタジックに描いていく。またもやというかやはり"悪い子バビー"を持ち出したくなるんだが、束縛されていた者が世界を知り成長する話がやっぱりやりたかったんだろなこの人(監督)って思った。しかしなんというかど直球な性描写は関係なく、なんか心惹かれないというか。あくまでも淡々と世界を知り自由を解放していくのみで、これといって感情移入はできない仕様だ、まあランティモス監督作品は前作も感情移入させないスタイルだったので、こういう成長解放系だと相性悪くないかと思ってしまう。
相変わらずのえぐい表情演技のエマストーンもやっぱすごいんだけど、やはり際立つのは撮影と美術かなー。ゴリゴリのセットのパワーは1950年代MGMミュージカルを思わせる、そこはさすがに評価したいなぁ。まあ全体的にあんまり好きでは無かったけど。
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