Nella

哀れなるものたちのNellaのネタバレレビュー・内容・結末

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

1月下旬から公開してるから、まあそろそろネタバレしてもいい時期でしょう…とは思いますよ?思いますけどねぇ、全開でネタバレするんなら注意書き欲しいよねぇ?!未見状態でSNS見る方が悪いのは分かってる。けどさー!!!
その点Filmarksは、配慮が行き届いていて素晴らしいプラットフォームだと思います(突然のage)

明日見るので見たらまた追記します。

【追記】
これR指定じゃないんだね。エロやグロがてんこ盛りな割にはなんか説教くさい…道徳くさいというか。教科書で習ってきたポリコレ、フェミニズムって感じ…。原作がそういう感じなんですかね?
女性が、脳が幼児のままいきなり身体が成人していたら、まず真っ先に驚くのは生理じゃない?自分に穴が空いてるとか、セックスできるとか以前にさ。股から勝手に血が出るなんて赤ちゃんだったら驚くよね。
ファンタジーだからと言われても、御伽話にも生理は出てくるんだから、それを無視した女性の身体性の話って全部嘘くさいんだよな。手塚治虫の「奇子」も生理きてたし。生理がなくて穴が空いててセックスできる女性型の何か、ってラブドールみたいでしょ。エマ・ストーンは細くて人形みたいだから、余計そう思っちゃった。

哲学者のアンドレア・ドゥオーキンが「女は色情狂になることを、自由だと錯覚するよう強いられている」と言っていて、このテーマはありとあらゆる手法で語られている訳ですが、切り口としても特に目新しい所はないんだよな…。エマ・ストーンは昔「小悪魔はなぜモテる?」という邦題のせいでただのラブコメだと思われた“Easy A”という作品でも同じテーマに挑戦している。モテない男友達やゲイの友達に「君で童貞喪失したことにしてくれ」と頼まれて、処女なのに学校一のビッチクイーンになってしまうという話で、「緋文字」のへスター・プリンにかけてEasy A。女性がセックスを好んだり楽しむと、なぜ蔑まれたり見下されたり罰せられたりするのか。みたいな話がきっと好きなのだと思う。
でもこの話、結局は夫からの虐待が一番深刻なフェミニズムの侵害だったから、それを掘り下げた方が良かったような。確かに自由にセックスする権利は欲しいけど、それ以前に、殴られない権利や勝手に孕まされたり勝手に中絶されない権利、去勢されない権利などの方がはるかに勝ち取りたいものだし、それらを持たない女性はまだ大勢いるのだから。
全体的にgdgdで、もうちょっと前半巻けば面白くなったような気がします。
衣装や美術のゴシックさ、エマ・ストーンの渾身の赤ちゃん演技とセックスシーンを楽しむ映画かな。ちょっと分かりやす過ぎて、考察厨にはウケないと思う。「聖なる鹿殺し」が良かったので期待し過ぎたかもしんない。

てかフェミニズムが特権階級だけのものって描き方はどうなのよと結構思ってる人がいるみたいで安心してる。
趣味で娼婦をやって、「女の方が相手を選んだらどう?」というのは、あまりにも説得力がないし、賢しい特権階級女のただのワガママにしか見えないし、「フェミニズムなんて知恵のついた女のワガママ」といわんばかりの表現だし。趣味で貧乏やる人嫌い。「女が娼婦を仕事でなく趣味にできるか?」というテーマはあるエロ漫画家の方が書いていてドウォーキンもこの方が引いていて知ったのだが、趣味は経済とは完全に切り離さなければならず、お金を貰うのならば仕事、仕事なら選ぶ権利はないとなる。しかし趣味であるなら、好き好んで危険な性の冒険をする変態女、とされてしまう。ね、難しいでしょ。

【しつこくさらに追記】
ほらーーー。オスカー受賞式騒動を見ましたか?何をかいわんやじゃないのさ。お人形のように綺麗な女優さんだし鑑賞する分には好きだけど、これからは彼女を「そういう人」って見ちゃう。このことについて人権派のマーク・ラファロが何て言うか聞きたいよ。
グレタ・ガーウィグといい「女にも人権を!(※ただし白人に限る)」ってさあ。まぁこの映画のテーマに沿ってると言えばブレがないけどね。
Nella

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