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哀れなるものたちのsakiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
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脚本はさておき、映像美と音楽と衣装、とても好きだった。『装苑』の衣装特集に載っていたので思わず購入。

18禁というのを見落として観に行っていたのであんなにモロな映像がしょっちゅう大画面に出てくるのに面食らってしまった…!
原作小説の時代設定が19世紀末のイギリス。産業革命後、ようやっと女性の参政権やら相続権など公的権利が叫ばれるようになった時代。女性らしさや良妻賢母を求められる強い家父長制から自立した女性へと変遷する節目の時代。それを考えると、女性が自らの選択で性的行為を堪能する描写が必要だったのかな。

『バービー』が明るく楽しく性的描写はあまり触らず男女の間でのみジェンダーを思考する映画ならば、『哀れなるものたち』はダークにエログロく、横糸の男女間だけでなく、縦糸として女の中での階級差(貴族から娼婦まで)も思考しようとした映画なのかも。
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