しゃおりん

哀れなるものたちのしゃおりんのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.5
心臓に軽い電流が流れ続けるような痺れる感覚で劇場を出た。

大人の体を持った赤ちゃんが世界を知ってゆく話。
通常の人間は何十年もかけて世界を見て知っていくから、理性やら羞恥心やらつまらないことで心にブレーキをかけてしまうけれど、大人赤ちゃんのベラは好奇心の赴くままに貪欲に物事を見て学んで常にフレッシュな反応をする。なんかちょっと羨ましいな〜と思ったり。

ところで!ヨルゴス・ランティモス監督!!
私は聖なる鹿殺しのインパクトが強過ぎて未だ思い返しては不快な気分になってたりするのだけど、監督は人間が好きになってきたの??(※誰も最初から嫌いとは言っていない)
哀れなるものでベラの歪な成長譚を見て、人間は醜く愚かだけど全部ひっくるめて愛おしいね!!って言ってる気がした。
いやね、鹿殺しも好きだし、哀れなるものも本当に良かった。けど作風にギャップありすぎて良い意味でびっくりした。

あとはとにかく衣装が完璧すぎる。
私もドデカパフスリーブ着たくなっちゃうよ!