バナバナ

春画先生のバナバナのレビュー・感想・評価

春画先生(2023年製作の映画)
3.2
わざわざ喫茶店で春画を開いて観ているなんて「キモ! キモ! キモ!」としか思えなかったのだが、ウエイトレスとして働く弓子は、そんな芳賀に興味を持ち、彼の家のお手伝いさんになる。
思えば、弓子が芳賀に最初から性的に惹かれていなければ、彼の家にまで行こうとは思わなかっただろう。
しかし、芳賀は亡くなった妻のことが忘れられないらしい。

それにしても弓子に対する芳賀の仕打ちが酷い。
亡き妻のドレスを弓子に着せたところで、え!?と思ったが、話が進むにつれ「やはりこいつ、ただの鬼畜で変態やん!」としか思えなかった。
古都での春画の会は、パク・チャヌクの『お嬢さん』の朗読会みたいだった。
が、こんな棒読みの爺さんが朗読しても、色っぽくもなんともないと思うのだが。

芳賀の弟子であり編集者である辻村は、なんだこいつと思っていたが、まさかのバイだったのには驚き。
しかし、初対面のゲイの相手がコレをOKするなんてことある!?。

途中から、芳賀の元恋人であり、先妻・伊都の姉である一葉が登場して更にややこしくなる。
結局、弓子が恋焦がれた伝説の七日間って、こういうことだったのかw。

弓子役の北香那さんは、目はクリッとしているのに顔立ちがふっくら丸型なので、和服もよく似合う美人。
純粋に芳賀を追うがあまり、どんどん変な世界に浸かってしまう弓子にピッタリだった。

でも最後まで観ると『お嬢さん』の様な爽快さはなく、谷崎潤一郎の様な、明らかに男性目線の特定のフェチの話だったな、と思いました。
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