好きです。私は断然支持したい。
換骨奪胎通り越してもはや原作とぜんぜん違うやないかい!ウチの思てたポアロとちゃうやないかい!と、クリスティファンの方は怒られるかもしれないが、私はめちゃくちゃ支持したい。
オールスター勢ぞろいな『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』と比べると、かなり地味なキャスティングではあるが、その代わり本作は美しいベネチアでロケ撮影を敢行することで、絵のリッチさを確保されており、沈みかけた灰色のポアロの脳細胞は、水に浸かった迷宮都市の小径とリンクする。
見事な舞台設定であるし、この時点で私はもう結構満足してしまったのであるが、本作はそこにゴシックホラーのテイストをマシマシにすることで、シリーズに新しい風を吹込むことに成功している。
『死霊館』シリーズのような不気味でスピーディな撮影はキレキレ。
ケネス・ブラナーに京極堂シリーズの実写化やってほしいとすら思うほど。
どんどん映画監督として手堅くなるケネス・ブラナーの実力を感じさせる1作でした。
今作くらいの規模感であれば年1回ペースでケネブラさんにはポアロやってほしい…