びんぼん

BAD LANDS バッド・ランズのびんぼんのネタバレレビュー・内容・結末

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

生まれも育ちも大阪の私が通ります

難波、天王寺、淀屋橋
慣れ親しんだ地名や風景の中、始まった物語
段々と、生まれてこの方、踏み込んだことの無い地域へと舞台は変わってゆく

ヘルドッグスとどこか繋がっているような世界観

とにかく安藤サクラの安定感
素晴らしいね
今、朝ドラBS再放送で『まんぷく』をまた観ているんだけど、福子ちゃんとはまったく違う
でも根底にこの人が持つ人間の「可愛らしさ」みたいなものがしっかりと流れていて、ネリも愛される(執着される)人物だ

とても似ているとされる江口のりこが刑事役で出演しているけど、こうして見ると全く個性が違う
江口のりこには乾いたまでのハードボイルドを感じる
安藤サクラの可愛らしさとの大きな違いはやはり声なのかなぁ
ドスの効いた怒鳴り声も出せるけど、何だろう、可愛いんだよね

そして山田涼介
「うわぁ、なんか懐かしい」ってそりゃ沖田総司やったもんね
池田屋は懐かしいよね(笑)
彼の出演作は正直『燃えよ剣』くらいしかまともに観たことがないのだけど、あの沖田はまぐれではなかったんだなと認識を新たにした
流石、岡田師範が認める後輩だね
沖田を演じた時に岡田師範がべた褒めだったけど、後輩ゆえのリップサービスではない本気を感じた
今作のジョーも、憎めないクズそのものだった
山田くんは顔が美し過ぎて、演じられる役の幅が狭いと思うんだけど、その分ハマると凄みがある
ネリとジョーのバディのターンが始まってから物語が転がりだし急に面白くなった
そう、タイトルが出たタイミングから

曼荼羅のおっちゃんの宇崎竜童も良かった
そんなん無理に決まってるけど、ネリとジョーと曼荼羅で面白おかしく生きて欲しかったなぁ
と思うくらい魅力的な3人だった
彼らの辿る道行きは切ないけれど、最後のシーン、駆け抜けるネリの瞳には希望があった
月曜日のあの女の子の伏線回収も、私としては好きな感じ

登場する全てのディープ大阪な人達に拍手を送りたい
天童よしみちゃんとヘルドッグスの大竹しのぶさんとの対決が見てみたいものよ(笑)


そして我らが岡田師範
あなたがチラッと友情出演していると知って、映画館に足を運びました
あなたの映像作品は、1本たりとも見逃したくないの
「岡田くんとはどんな形でもいいから年に1回は仕事がしたい」
と原田監督に言わしめるほどの気に入られぶり
短い出演シーンにも、余すところなくタダならぬ強さが感じられました
好き
苦渋の選択での退所だったのだから、願わくば今後の仕事への影響は最小限となりますように

プロデュースにあの人の名前や会社の名前がクレジットされるのはこれが最後になるんだろうな
びんぼん

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