夢川しろ

スイート・イースト 不思議の国のリリアンの夢川しろのレビュー・感想・評価

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うーんこいつら、ちょろい。
ちょろくてなんだかんだ安全で、イカれてる。

「お前らが何をしてるか知ってるぞ!」ピザゲートさながらの銃弾が始まりを告げ、リリアンはゆっくりと落ちていく....。
現代アメリカ社会の極端な側面をお菓子の様にパクパク味見し猫のように気ままに渡り歩く、退屈な目をしたベイビードール。

不思議の国のアリスが穴に落ちるきっかけになるのもまさに「虚無」だ、そこには仰々しい思想も深い哲学的絶望もない、純粋な空洞だ。姉が熱心に読む書物なんぞ到底面白いと思えない、ところがどっこい明らかに様子がおかしい白ウサギが現れたら、とりあえずノコノコついていってみるのだ。白ウサギが人の言葉を喋り帽子屋の気がふれているように、アンティファの青年は股間をピアスだらけにし、イスラムキャンプ男たちはクネクネ踊るのだ。

リリアンの世渡りがうますぎて思わず唸る面白さ、誰にも何にもなりたくないTシャツプリンセスはナミビアの砂漠のカナの様に冷ややかで柔らかくて、境界を突破し神の目線にまで到達していた。
先日中途半端に観たレッドロケットのマイキーはあまり好きになれなかったのだけど、ネオナチ教授ローレンスver.のサイモン・レックスはとても紳士で繊細で良かった、ローレンスとリリアンのやり取りは本当に笑える。

とりあえず、変なもん入ってる小袋をプルンプルン振り回すのはやめなさい!!!
夢川しろ

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