サム・H・フリーマン、ン・チュンピン監督「FEMMEフェム」ヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞
残酷な運命を仕組むのは、愚かで好色な神か?人間の未熟さ故か?
恋の炎は理性と建前を凌駕し全てを焼き尽くす...「激情・破滅・良心」🟥🟦🟨
赤青黄のコントラストに、人間存在の儚さと輝きが凝縮している
アフロディーテという自信に満ちたペルソナを被りドラァグクイーンとしてステージに立つジュールズ、パフォーマンス後店の外で目を奪われた男に胸をときめかせる...「イケメンね」
まさか彼に、ホモフォビックな罵倒と激しい暴行を加えられるとも知らずに、そして、禁断の愛欲のその先に向かう事になるとも知らずに...
ネイサン・スチュワート=ジャレット演じるジュールズは繊細で優しい色香を纏い、あまりにゴージャスだ
プレストンの仲間達に溶け込む際、彼は再び別のペルソナをかぶる 器用にアイデンティティを使い分けることで生存のバランスを取る、その姿に感嘆させられるし、その危うさにも気付かされる
ジョージ・マッケイ演じるプレストンは仲間も見た目もマッチョに揃え、クローゼットゲイとしての心が引き裂かれんばかりの苦しみを、暴力的でやり手の男というペルソナで防衛している
その刃物のような瞳が悲しい その仮面こそが彼の内側を蝕み、真の愛や自由から遠ざかってしまうのだ
ふたりのデートや口づけはあまりに愛らしく、気付くと幸福を願っていた
ふたりで互いの似合う服を買いに行ったりしてほしかった、誰に何を言われるでもなく...見つめ合っていて欲しかった
やはり自分は、破滅的で刹那的なラブストーリーが好きなのだと確信させられた作品であった
忘れられない恋の一つとして胸に刻まれた