Mariko

ザ・クリエイター/創造者のMarikoのレビュー・感想・評価

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)
3.9
アバター+ブレードランナーを『ローグワン』のギャレス・エドワーズが描きました、という趣で、AI vs 人間 ではなく、感情や意志をもった人間型ロボットを排除する立場の人間と共存しようという立場の人間との争い、を「案外」小さいスケールで描いた感。

設定、コンセプト、映像の凄さに、ストーリーとディテールが追いついてない感が…。
ツッコミどころ、私が気になった一例をあげると、あのニューアジアの在り様。渡辺謙がここまでの存在になっていることは素晴らしいけれど、役として「えっ何故そこで急にケン・ワタナベだけ日本語喋ってんの?!」とかは思ったよね。ただ、連れは「ああいうもの、っていうことでしょ?謙さん凄いよね!」って言ってたから(そこには120%同意するけど)人それぞれなのかもだし、ブレードランナーをやりたかったんだね、っていうのはわからなくはないので😅。でもまあ最低でも「もういや遊牧民」のプラカードは「NO MORE NOMAD」のまんまにしておくか「ノマド来るな」とかに変えた方がよかったよね笑。

ただ、限りなく人間に近い存在になったロボット(敢えてAIとは言わない)を「オフ」にすることと「殺人」とは何が違うのか、という点は、亡くなった人間を一時的に脳の機能を蘇生させて記憶を引っ張り出そうとする行為等を含めて、今後の人間の倫理観を問うという意味でとても意味深いとは思った。
その辺をもっと掘り下げて、この映像に見合う壮大な内容にするか、逆にジョシュアとマヤの愛、そしてアルフィーとの「家族」の物語に振り切ってそこの関係性をガッツリ描くかどっちかにした方がよかったんじゃないの?っていう気はちょっとしたかな。まあギャレスはその辺が弱いんだろうけどね。ていうかギャレス、日本人(=サムライだと思ってる? or そういう希望?)の精神性を高く見積もり過ぎ💦。

でも、とにかく映像と音が最高過ぎたので劇場に行ったことは一瞬たりとも後悔しなかったので、よし笑。
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