ギャレス・エドワーズの集大成。
デビュー作以来のオリジナルSF映画。
ギャレスはゴジラで核爆弾を礼賛するかのように見える描写をしてしまった後、スター・ウォーズ ローグ・ワンでは核爆弾反対的な描写があった。しかしローグ・ワンはトニー・ギルロイが途中から参戦してコントロールしていたと噂されるため、本当のギャレスのメッセージは何処にあるのだろうかと思っていた。
ゴジラのインタビューでは、武器を使った人間のみが死んでしまうように描写したと主張していたギャレスを覚えている。つまり、彼はゴジラでは本当の姿勢を示せず、ローグ・ワンは不完全燃焼で終わったのではなかろうか。
そこで、この「ザ・クリエイター」は完全なオリジナルで言いたいことをついに言える土壌だ。
しかし主張そのものは胸にしまわれ、彼自身の大好きであっただろうSF映画のオマージュや影響が溢れんばかりに出ている。特にジェームズ・キャメロンに対する憧れのような描写が散見していた。他にも日本のアニメに対する愛も感じる。オリジナルと言いながら、パロディーのようにも見える瞬間があるがギャレスと歳が近いので世代的に共感する部分が多い。
A.Iというツールは使い方次第で使う人次第であり、また戦争批判もメッセージとして感じる。
だが、1番感じたことはクリエイターにとって作った「作品」は子どものようなものであり、また自己意志を持って一人歩きをするという目線。
ツールとして見るのではなく、愛情を持って手放す心。作品に迷って破棄しそうになったり散々苦しんで愛し、手放す。という創造性に関するお話に見えてくる。
それはギャレスがゴジラ、スター・ウォーズという巨大なIPを背負って戦い、様々なものに翻弄され、辿り着いた境地。本当に苦しんだクリエイターが出した答え。
ギャレスのオリジナリティの真価と進化は次回作に見れる気がする。それを楽しみに待つ。