犬里

ACIDE/アシッドの犬里のレビュー・感想・評価

ACIDE/アシッド(2023年製作の映画)
3.3
異常気象から超濃度の酸性雨が降るようになるという話。環境意識の高い欧州らしいと思った。日本のホラーで異常気象テーマのってあったかな?思いつかない。
パニック映画ではあるんだけど、フランスの映画らしく、複雑な家族関係のドラマを主軸に描いているので、パニックは要素として添え物になっている感じ。
日常パートから雨が降り出すまでの展開が急だなと思った。父親と彼女の関係とか(彼女は事件の被害者なのかな?)離婚の顛末とか、母親の兄と父親との関係とか、詳しく語られずに察してねみたいな感じでドラマが進むのは面白い。
主人公たちが問題解決のために(ハリウッド的)ヒロイックな行動を取るようなこともなく、全員わりと行き当たりばったりなのであー!いわんこっちゃないってなる。世界中で雨降ってて、室内に逃げても無駄なので、「こうしたら解決」という物語的な着地点が見えない。逆を言うとそれが逆に生々しい、一般人が逃げ惑う様子を描いたストーリーになっている=家族ドラマにフォーカスできていると感じた。セルマちゃん、無計画に危ないところに走っていくんじゃありません!
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