ナガエ

人体の構造について(原題)のナガエのレビュー・感想・評価

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うーん、何だったんだ、この映画。凄かったと言えば確かに凄かったが、しかし、全体的には不満足の方が強い。

公式HPには、こう内容紹介が書かれている。

【実際の外科手術を医師の視点で撮影し、人間の体の神秘に迫るショッキングかつ感動的な異色のドキュメンタリー
『リヴァイアサン』、『カニバ パリ人肉事件38年目の真実』といった話題作を共に手がけてきた、ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルの人類学者コンビが贈る衝撃作。パリ北部近郊の5つの病院のオペ室に密着し、脳や大腸、眼球、男性器など様々な外科手術や帝王切開の模様を医師の視点で見つめる。】

確かに、こう紹介されている部分は非常に興味深かった。時々、情熱大陸などで医者に密着すると、手術の際に医師が見ている「身体の内部の映像」が映し出されたりするが、ああいう映像が色んな手術のバージョンで映し出される。具体的にはよく分からないものの、小腸を映していたり、あるいは背骨に金属の支柱みたいなのを埋め込んでいる(あるいは、元々埋め込まれている人のメンテナンス的なことをしている)様子だったり、普段なかなか見られないだろう手術の様子が見られる。そういう部分はとても興味深かった。

しかし本作中には、「なんなんこれ?」と感じるような場面も多い。死体に服を着せているみたいな場面とか、ダンスミュージックがガンガン掛かっていて映像的には何を映しているのかよく分からない場面とか、認知症っぽい人がエレベーターのボタンを押し続けて職員の話を聞かないとか、いろいろ。

で、とにかくそれらに一切の説明が無いため、マジでなんなのか分からない。「どゆこと?」ってなる。本作は118分あるらしいのだけど、「手術シーンだけまとめて70分」とかにしても良かった気がする。

なんとも不満の残る鑑賞だった。
ナガエ

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