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さよなら ほやマンのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)
4.1
過去鑑賞です。
評判が良いので劇場鑑賞。東日本の震災後を描いています。島に住み続けることができるかどうか、ほのぼのとした日常の延長線上にあるシリアスなテーマでした。

その土地から離れて行く人、やって来る人、そこに住み続ける人の三者がいて、誰にも心寄せて作られていました。

きょうだい児を描いた作品でもあり、お兄ちゃんの苛立ちと責任感が苦しい。誰にもわかってもらえないと一人で背負ってしまう。

漁師が漁をしても魚を食べない理由に胸が痛みました。

松金よね子さんと津田寛治さん以外の出演者が誰も知らない新人ばかりだったのに、それが気にならないどころか、体当たりの純粋な演技が素晴らしかった。

弟役の黒崎煌代さんは今の朝ドラ「ブギウギ」に出演中。

お兄ちゃん役のアフロ(MOROHA)の繊細な自然な演技が本作のリズムを作っています。

ああ、こういうことは現実にあるんだろうな、と。だから観ていて、他人の痛みをエンタメとして消費しているような罪悪感というか、申し訳なさを感じてしまいました。時々あるんです。設定はフィクションだけど、被災者の方々の思いが映画を通してリアルに感じられ、レビューを長いこと上げられなかった。
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