ぽん

ボトムス ~最底で最強?な私たち~のぽんのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

タイトル通りスクールカースト底辺のJK2人組のお話。ノリで作った女子だけのファイトクラブに憧れのチアリーダーたちも入部してきて、さぁ彼女たちの下心の行方は?みたいな青春おバカ映画。

本家ファイトクラブのホモソーシャルな世界観を性別反転させたら、意外にフツーのクラブ活動に見えたのが面白かった。いや殴り合うのは普通じゃないんだけどw でも女の子たちのファイトは見てて不穏な気分にならない。(本気でやってないし、そういう撮り方をしてないって言うのもあるけど) 本家の男どもは暴力に高揚してエクスタシーを感じてるのがドン引きなんです。

さて、この手のティーンものは好物だけど、ちょっと感想が定まらないですね。懐かしの「グローイングアップ」シリーズみたいなやつをゲイの女子がやってるって、今っぽさは分かるし全編にみなぎるポジティブ・パワーも肯定的に受け止められるのだけど。なんとなく各方面に配慮してます的な理屈が先行してるようにも思え。

カーストの壁を越えて女の子たちが連帯していく様子はよかったですね。クラブのメンバーたちがお互いに自分の話をしようと集まったとき、「レイプまではいかないけど性被害にあったことがある人?」の質問に全員が手を挙げるの、そうだよそれ言っておかないとねって思わず拳にぎりしめた。哀しいかなこれが現実。

ステレオタイプというか、それ以上におバカに描かれてるジョック(カーストトップのスポーツマン)の子も面白かったけど、この蔑み方は彼らが底辺をバカにするのと同じ態度だよなーなんて生真面目に考えてたら、ラストで上手に決着つけてくれた。彼らだって仲間だと。こういうとこ好き。

あとは死の扱い方がえらくカジュアルで驚いた。コメディとは言えそれでいいの?って思うけど、この辺はZ世代アルアルなんでしょうか。最近の曲を聴いてるとラブソングなのに死ぬとか殺すとかのワードが平気で出てきますからねー。昭和世代はついていくのが大変よ。
ぽん

ぽん