岩嵜修平

ポッド・ジェネレーションの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)
3.6
有り得そうな近未来SF。思考実験として興味深く、だからこそ、もう少し踏み込んだところまで描いて欲しかったような。それでも、スパイク・ジョーンズ好きとしては傑作『her』を意識したという映像は好ましかったし、ソフィー・バーセス監督には、この方向の次作を期待。

現実にも、様々な手段で試みられる出産の痛みからの解放や、育児における平等性を、机上の空論ではなく、形として示したことは意義深く、だからこそ、いくらでもディストピアとして描けそうな題材をポジティブに描いた本作を支持したい。この方向性で研究する人が出ても良いのでは。大事なのは選択肢。

AIカウンセラーを明らかに異形なものとして描くあたり、シンギュラリティ含めAIの進化に対して懐疑的な視点を持って描かれているのだろう(人間の仕事が奪われる展開も描かれる)けど、それでも、こうした進化の先の世界を見てみたい気もしてしまう。それこそVRなどで体験する機会があむても良いかも。
岩嵜修平

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