瀬口航平

シークレット・サンシャイン 4K レストアの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

不幸オブ不幸、鬱オブ鬱映画。
主演の方、おれだったらこんな役、身体壊しそう。
突然起きた不幸から、救いを求めて信仰を持つようになるけど、自分の息子を殺した犯人を神が許してくれたというのを許せなかったり、許せなかった自分を感じて縋っていた神への信仰を持つ自分の中のアイデンティティが崩壊したり、崩壊したアイデンティティを保つために神への反逆、復讐みたいな行動を取ったり、その行動は結果的に自分をこれでもかと蔑ろにする行動だから、どんどん追い詰められていく。
美容院のシーン、何か愛が生まれかけてた、生まれてたような気がするんだけど、それを彼女自身が拒否したような。。その後、友達と自分のしたことを笑うシーンがあったけど、ちょっとだけ良かったと思うシーンだった。
自分のことを馬鹿だねえと言って誰かと笑い合えるのは復調の兆しな気がする。

こういう宗教的なものを作品に組み込んでるときって、許さなくちゃ、みたいな人ばかりなんだけど、許せないという自分を認めようって言う人いないよね。一人ぐらいいてもそこまで物語に影響ないのでは?って思うんだけど。神への信仰のある人たちの描写が薄っぺらくなっちゃうのがなんかもったいない。

韓国の作品は演技が地に足ついててものすごくリアリティあるし、構成もしっかりしてる、レベルが高いのはめっちゃわかる。そしてこの作品において言えば、とても現実を厳しく見つめている。おれはもう少しだけ希望を見せてほしいって思っちゃう人だから、そこだけ少し好みではなかったかも。
瀬口航平

瀬口航平