見たくない感情から逃げた夫婦と、見たくない社会の残酷な事実から目を背けた私たちに問いかける映画。
重たいし救いようがない。さとくんが自分の思いを吐露するシーンに、反論できない自分がいた。
綺麗事じゃない、本当の本音。でも自分もあると思った本音がさらけ出された。
外側から何も犠牲にせず、綺麗事を言っても彼の心には何も届かない。むしろ彼の言ってることが自分の心の中にゼロじゃないことをまざまざと見せつけられる。
何も救われてないけど、見方を変えればお腹の中の小さな命は救われたのかもしれないと私は思った。
彼女はきっと検査をしないだろうと思ったから。
人ってなんだろう。そもそも心があるかないか、それが判断基準なのだとしたら生命そのものに対して線引きすることすら、自分たちの勝手な考えなのかもしれない。
答えの出ない問いかけを考え続けることに意味があるんだって思った映画。