原爆の威力を目の当たりにした時の科学者の反応と、無知な一般人との反応の落差に背筋が凍った。
人間が愚かで、ある意味進化しないのは無知故なのかなとも思った。
それはオッペンハイマーも同じ。一回見ただけだし、情報量が多すぎて難しかったけど、彼も前半はそこまでの結果になると思ってなかったと思う。
ある意味彼も無知だったんだろう。開発して、実験に成功して、実際に人間に対して使用した後。
やっと彼は自分が作ったものの恐ろしさ、罪深さに気がついた。
これほど恐ろしい武器を恐れて使用しないのでは無く、嬉々として使用する人間の恐ろしさに。
彼はきっと想像を絶するほどの罪悪感を抱いたんでしょう。
だから広島や長崎の凄惨なシーンを直視できず、ずっと俯いて見れなかった。
後半には彼の苦悩や後悔が、キリアン・マーフィーの演技から伝わるくらい素晴らしかった。
彼はある意味自分の欲望に奔放だったんでしょう。物理学者としての知識の探究への欲望、女性への欲望も。
ある意味人間らしいのかもしれない。
クリストファー・ノーランの映画はやっぱり素晴らしい。キリアンの演技も素晴らしい。
ロバート・ダウニー・Jrの演技も良かった。嫌味に聞こえるかもしれないけど、嫌な奴をやらせた方が上手いのかもと思った。(授賞式の態度もあるしね…)
やはり唯一の被爆国として、日本人は見た方がいいし、この映画に対してのアンサー映画を日本人の手で作って欲しいな、と個人的な思った。