ヒノモト

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!のヒノモトのレビュー・感想・評価

2.9
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズ最新作。

過去に映画化されたこともありましたが、あまり映画向きの題材には感じていなくて、今作も「コワすぎ!」のフォーマットをなぞりつつも、白石監督作品出演者を寄せ集めたイベントアトラクションのような内容で、映画としてもシリーズとしても期待外れの印象でした。

「カメラを止めるな!」のロケ地で撮影したシーンも思ったほど効果的に使われていないようにも感じるし、何よりまがまがしい怖さがほぼ皆無なのは致命的。

怖さの正体「赤い女」を逆説的に利用するなら、もっと無双するくらい突き抜けるグロテスクなアクションホラーのようにできたら、また違った印象になったかもしれませんが、そうしたら「コワすぎ!」でも何でもなくなってしまうので、シリーズ続編の難しいところもありました。

あと気になったは、投稿動画出演の3人の演技、台詞回し、設定そのものが既視感を感じるのと、フィクションっぽく見えてしまい、フェイクドキュメンタリーのテイストから逸脱しすぎていることも、上手く楽しめない原因の一端になっているとも感じました。

シリーズ元来の投稿動画の真相を突き止めるところからの飛躍のさせ方、あえてツッコミどころを残している作品全体の緩さも含めて、シリーズの味ではあると思うのですが、今作においては、ノーカットに見せる技法だけが強くて、怪現象に巻き込まれてどのように行動していくかの原理については、いまいち納得できる理由が乏しく、物語から観客が置いてけぼりにされがちな展開になっていたのも、あまりよくなかったかもしれません。
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