NaokiAburatani

ボブ・マーリー:ONE LOVEのNaokiAburataniのレビュー・感想・評価

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)
-
何と言うか、物凄く薄味な伝記映画だった。

ボブ・マーリーがどういう人物か全く予習しないで鑑賞した自分が悪いと言われればそれまでなんだが、人物像が当たり障りなく描かれていたために、実像がイマイチ掴みづらいというか‥
信心深く、家族や仲間を大切にし、国のために文字通り生命を賭して尽力した伝説的シンガーで、まさに(浮気しまくりの)聖人のよう‥なのだが、それにしたってこの薄味感の正体は何なのだろうか‥かなり個人をフォーカスして(し過ぎて時代背景やジャマイカという国が何故内戦寸前なのか等があまり見えてこない)いた割には、これが腑に落ちない。

いきなり銃撃されるというショッキングなシーンから始まったのだが、冒頭だったし死ぬ訳ないのは尺の都合で分かっていたから衝撃度は半減したものの、運が良かったとはいえ厚く編まれたドレッドヘアーは銃弾に勝るということが1番驚いた。
また、この手の映画のお約束のライブシーンに余り力を入れてるようには見えなかった。流石にラストは素晴らしい凱旋ライブがあるのだろうと思いきや、まさかテロップと断片的な映像で済ますとは‥
従来のボブ・マーリーファンはこれをどう捉えているのかと何故彼が皮膚がんの治療を拒んだのかが気になるところで、タイトルにもあるONE LOVEに込められた思いなんかももう少し見せて欲しかった。
NaokiAburatani

NaokiAburatani