リドリー・スコット×ホアキン・フェニックスの『ナポレオン』。IMAXで見たけど、すごいね！
8000人のエキストラと11台のカメラを使って撮られたワーテルローの戦いとか、撮影のために完全に戦いを再現してる規模！ こんな大規模な撮影、そうそうお目にかかれない。IMAXで見てよかったわ〜。
作品全体としては大河ドラマのよう。ナポレオンのどこか一時代に焦点を当てるのではなく、若き将校の時代から亡くなるまでを年代順に描かれる。
また、本作を貫くもう一本のテーマが、子供ができなかったジョセフィーヌとナポレオンの悲恋。ナポレオンがいくら愛しても、愛人作って好きに暮らしてるジョセフィーヌに振り回されるナポレオンの哀れ。
結婚して何年かしても子供ができなければ返されるとか、日本でも昭和にはよくあった話だが、古来婚姻は後継ぎを作るためのものであり、嫁は子を産むためのものであった。子ができなかったからという理由で離縁されるジョセフィーヌの話は、まだ一部保守派が言う古い女性観や、夫婦の有り様における多様性にも関連している。
ホアキンの演技は成り上がるまでは割と抑えた演技だが、ジョセフィーヌと結婚した後は、嫉妬に揺れ動く心など、戦場とは違うナポレオンを演じていておもしろい。
エンドロールに出るが、ナポレオンが指揮した戦いにおけるフランス軍の戦死者の総数が300万人以上！ 確かに英雄なんだか悪魔なんだか。
ラストは流刑地のセントヘレナ島で亡くなるシーンで終わるが、この死も毒殺であるとか諸説あるそう。
Apple Original Films 制作の作品ではあるが、配信を待たずに出来るだけ大きなスクリーンでの鑑賞をオススメする。
