こなつ

ナポレオンのこなつのレビュー・感想・評価

ナポレオン(2023年製作の映画)
3.8
これはやはり配信などではなく、劇場鑑賞案件だと思って、珍しく乗り気だった主人を誘って鑑賞。わが夫は、歴史物と戦争物にしか興味を示さない。IMAXで鑑賞。

アメリカ合衆国とイギリスの合作。天才的な軍事戦略で諸外国からフランスを守り、皇帝にまで上り詰めた男の生涯とは一体どんなものだったのか。世界史は得意ではないが、ナポレオンくらいは知っている。そう思っていたのだが、妻ジョセフィーヌを溺愛し彼女に振り回されるナポレオンの姿は、生涯で61の戦いを率いた英雄のイメージとは少し違って情けない。やはり彼が大成を成し遂げたのは、幸運の女神とか勝利の女神と言われていたジョセフィーヌがそばにいたからではないか、ジョセフィーヌの元夫ボアルネ子爵も元愛人ポール・パラスも彼女から離れた後に零落している。

妻ジョセフィーヌを演じたヴァネッサ・カービーは、カリスマ的な美しさだった。透明感のある肌、ブルーの瞳、妖艶な魅力はジョセフィーヌを彷彿とさせる。奔放で気位の高いジョセフィーヌに恋焦がれて追いかけて、それでもつまらない男だと素っ気なくされていたナポレオンだったが、ジョセフィーヌがやっと真摯にナポレオンに向き合ったその時、ナポレオンの愛情が冷めていく。男女の愛の行方は、今も昔も変わらない。

どの戦闘シーンもダイナミックな戦い方で圧巻だった。彼が率いた戦いの一部ではあったが、こうやって勝ち進んで行ったのかと世界史の勉強そのもの。そして最後の戦いになったワーテルローの戦いでの負け方も、勝算に自信満々だったナポレオンの判断ミスとイギリス・オランダ連合軍の緻密な作戦に息を呑む。

ホアキン・フェニックスは、身長173cm。
小柄だったというナポレオンを演じるには体型もピッタリ。悪魔と恐れられていたナポレオンの素の部分も繊細に演じていてナポレオンのヒューマンストーリーとしても楽しめた。
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